第1章 中医学の基本を知る 第2話2026.7.28

中医学では「病気」ではなく「人」を診るとは?

 

「中医学は病気ではなく、人を診る医学です。」

この言葉を聞いたことはありますか?

初めて聞く方は、「病気を診ないってどういうこと?」と思われるかもしれません。

もちろん、中医学でも症状は大切に考えます。

ただ、症状だけを見るのではなく、「その症状が、なぜその人に起こったのか」を重視するのが中医学の特徴です。

 

同じ症状でも、原因は人それぞれ

 

例えば、肩こりで来院された方が3人いたとします。
 

Aさんは、毎日のデスクワークで目を酷使し、疲れがたまっています。

Bさんは、冷え性で手足が冷たく、身体が冷えやすい体質です。

Cさんは、仕事や家庭のストレスが続き、眠りが浅くなっています。
 

3人とも「肩こり」という同じ症状ですが、中医学では原因は同じではないと考えます。

そのため、施術の方法や生活で気を付けることも変わってきます。

 

「痛い場所」だけを診るわけではありません

 

肩が痛いから肩だけ。

腰が痛いから腰だけ。
 

中医学では、このようには考えません。
 

身体はすべてつながっているため、

  • 食欲はあるか

  • よく眠れているか

  • 疲れやすくないか

  • 冷えはあるか

  • 汗はかきやすいか

  • 便通や排尿はどうか

  • ストレスは多くないか

といった全身の状態も大切な判断材料になります。
 

一見関係のないように思えることも、不調の原因を探るヒントになることがあります。

 

「木を見て森を見ず」ではなく、「森全体を見る」

 

例えるなら、西洋医学が症状という「木」を詳しく調べるのが得意だとすると、中医学は身体全体という「森」を見て、その木がなぜ元気を失っているのかを考える医学です。

どちらが良い・悪いということではなく、それぞれ得意な視点が異なります。

だからこそ、中医学では身体全体のバランスを整えることを大切にしています。

 

ORCAでも大切にしていること

 

当院では、施術前のカウンセリングを大切にしています。

「肩が痛い」というお悩みでも、

  • いつから痛いのか

  • どんな時に悪化するのか

  • 睡眠や疲労の状態

  • お仕事や生活習慣

  • 冷えやストレスの有無

などをお伺いすることがあります。
 

「肩が痛いのに、そんなことまで聞くの?」と思われるかもしれませんが、その情報が施術方針を考える大切な手がかりになるからです。

その方の身体の状態を総合的に把握し、一人ひとりに合わせた施術をご提案しています。

 

中医学は「今」だけでなく「これから」も考える医学

 

症状が出ている場所だけに注目するのではなく、その人の体質や生活習慣まで含めて考える。

それが中医学の「人を診る」という考え方です。

不調を繰り返しにくい身体づくりや、健康を維持するためのヒントも、中医学にはたくさんあります。

 

まとめ

 

中医学では、同じ症状でも全員が同じ施術になるわけではありません。

身体の状態や体質、生活習慣が違えば、不調の原因も異なると考えるからです。

だからこそ、「病気」だけではなく「人」を診ることを大切にしています。
 

次回は、中医学の基本となる「気・血・津液(しんえき)」について、身体を支える3つの要素をわかりやすくご紹介します。



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